16歳 | ナノ

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燐を生かすために、サタンを殺す武器とするために条件が出された。

試験に合格することと、24時間体制で監視すること。

「半年後の祓魔師試験に合格してもらわなきゃいけなんだよ、兄さん」

「分かってる、殺されるんだろ?」

三本のロウソクの両端の二本だけに炎がつけられない燐を雪男は見下ろした。

ちっとも集中できない燐は息を吐き出すと、雪男を見上げた。

「……なぁ、お前も…見ただろ」

燐の言いたいことは分かっていた、それに雪男は瞳を細める。

「………NO NAMEは今、どこにいるんだ」

「…分からない」

「そんなことより、三賢者の判断の方が心配だろ」

雪男と燐の傍にやってきたのはシュラだった。

「どうでしたか?!」

「な、なんのことだよ」

「だから、今回の件はお前だけじゃなく、NO NAMEの事もちゃんと考えられている。

お前が合格しないと殺される、にあたって、悪魔化したNO NAMEも殺されるかもしれないっつーことだよ!!」

その瞬間燐の瞳が見開いた。

息ができなくなる、NO NAMEが殺される…?

「んなことさせるかよっ!!!!」

「兄さんの判断で決められることじゃない…」

雪男は顔を歪めると、シュラを見た。

シュラは息を吐き出すと、腕を組んで、口を開いた。

「お前ら、赤い悪魔、って知ってるか?」

燐は顔を歪めると、シュラを見下ろして、首を振る。

雪男は思い出しだように、息を吸い込んでシュラを見た。

「……100年前ほどに存在していた悪魔のことですか…?」

「あぁ、」

シュラが瞳を細くした瞬間、雪男は微かに息を吐いた。

呆然としたように見開かれた瞳はユラユラ揺れている、動くことができなくなったような足が、少し震えているのがわかる。

やっと喉から声が解き放たれたかのような小さな声は搾り取られるような声だった。

「そんな…わけ、あるわけないっ!!だって、100年前に存在していた、悪魔ですよ?!」

「わかれよ、…だから、今、あいつが悪魔なんだよ」

「おい、どうゆうことだよ雪男!!!!」

燐の瞳が雪男を捕らえた、反らせない視線の中、ゆっくりと雪男は口を開いた。


「…NO NAMEが、その赤い悪魔ってことだよ、兄さん」







 

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