16歳 | ナノ
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「奥村君のことは分かりました…、でもあの悪魔は一体?!奥村さんって本当ですか?!」
志摩の声に雪男の顔も小さく歪んだ、
「分からない…」
「雪ちゃん!あの悪魔さんは本当にNO NAMEちゃんなの?!」
「だから、分からない!」
雪男の声は部屋に響いた、それにしえみの身体が小さく震えた。
雪男は息を吐き出すと、眉間にしわをよせる。
「僕にも本当にわからないんです……なんで、なんで」
教師である雪男も同じ年の男。
だがいつでも自分たちをひっぱり、指導してきた雪男は同年代と思わせるような
仕草も表情もしなかった。
だが今の雪男は違う。
まるで、しえみ達より現実を受け入れられないような表情をして、
ただただ瞳を細める。
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