16歳 | ナノ
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「これより被告人メフィスト・フェレスの懲戒尋問を開始する」
バチカン本部、三賢者の前でメフィストは怪しく笑っていた。
「フェレス卿、率直に尋ねる、そこにいるのはサタンの子かね?」
「さようでございます。今更申し分もありません」
皆の視線は一点の青年、サタンの子、燐に集中した。
瞳を閉じている燐に意識がよみがえる気配はない。
「では目的は…?秘密裏に育てていた目的はなんだ?」
「サタンと…サタンと戦う武器にするために…」
メフィストは怪しく笑っていた。
またざわつき始める人々、それにエンジェルは顔を歪めた。
「サタンを倒すすべを私たちが持っていないのも事実…」
「……赤い悪魔の存在も聞いているが、お前に関係あるのか?」
「ご冗談を…彼女は有名ですがね…」
「有名だと…?」
メフィストは面白そうに顔を傾けると、小さく口を開いた。
「知っているでしょう?あの悪魔に堕ちた少女の事を、美しい天使のことを…」
それに三賢者全員が息を吐き出した。ありえるはずがない。そう思っていた。
またエンジェルの眉間にもしわが寄っていた。
その時、地面がゆらつき始めた。
そして地下から聞こえる、異質な音、揺れる建物。
メフィストの笑みは消えていた。
「(あいつめ…、)」
奥から迫ってきているのはアマイモンだった。
奥村燐がいるここを目指して、全身してくるアマイモンの身体はより悪魔に近づき。
周りには信者がアマイモンを包んでいた。
「アマイモンだと?!」
「地の王がなぜここに?!」
「そんなことよりサタンの落胤の力がどのようなもか、それを目の当たりにできる
絶好の機会に伺えたことを喜ぶべきではありませんか?」
「なんだと…?!」
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