16歳 | ナノ
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「奥村燐、NO NAMEは正真正銘の悪魔ですよ」
「黙れ、黙れ、黙れえええええぇぇっ!!!!!!」
さらに炎を纏った奥村燐の姿が消えると、感じたのは
強い衝撃。吹き飛ばされると、そのまま上から剣を突き刺される。
「ぐぁっ!!!!」
離れて、立ち直せば、奥村凛の姿はより悪魔に近づいていた。
あの青い炎、
あぁ、なんだか腹がたつ。
あの炎がNO NAMEを魅了する。
あの炎があるから。
父上のことをこんなふうに見ることになるとは。
奥村燐をこんなふうに憎むとは。
「……NO NAME…」
吐き出したその名前に顔が歪んだ。
「気安くその名前をよぶなぁ!!!!」
そう叫び、奥村燐に殴りかかると、それをよけられ、逆に吹き飛ばされる。
「ぐはっ、」
なんなんだ、この力は。
まるで父上のよう。
嫌だ、そんなの。
負けたくない。
あの炎に負けたくなんかない。
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