16歳 | ナノ
12022/4
「どうゆう、ことだっ…」
視界に写るのは青い炎ではない。
あの赤く染まるNO NAMEの姿だ。
「おい雪男!今は杜山の手当てをしろ!」
「っ…」
シュラさんの声にわれに帰ると、急いでしえみさんの首に埋まった寄生虫を除去した。
そして再びNO NAMEに瞳を向けると肩に手がのった。
それはシュラさんのもので、シュラさんの表情は歪んだ。
「今はこいつらを避難することが最優先だ」
「分かっています!でも、NO NAMEはっ」
「分かってねぇ!!お前は祓魔師でこいつらの教師だぞ!!!」
強く響いたシュラさんの声に目を見開くと、息を吸い込んだ。
「分かりました…」
しえみさんを担ぐと、生徒を移動させるためにシュラさんの後に続いた。
「…先生、どうなっているんですか…っ、奥村君も奥村さんも!!!」
「兄のことはお話します…、でもNO NAMEのことは…僕も、」
どうして。
僕にだって分からない、
なんで。
僕が聞きたい、
NO NAME、NO NAME。
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