16歳 | ナノ

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「!」

驚いたようなような瞳を向けたアマイモンに微笑むと、

無表情だった瞳をアマイモンは細めたが、再び青年に視線を向けた。

私は近くにあった木へと飛び乗ると、近くから観覧することにした。

「もしもーし、この女は君の大事な人間じゃないんですかあ?どうして本気出さないのかなー?」

アマイモンの問いかけに苦しそうに血を吐き出した青年、そしてゆっくりと顔を上げると

口を開いた。

「くたばれ…っ…」

「だったら、じゃあもう女は用済みだな、せっかくだから目玉を一ついただこうかなー
人間の目玉を集めているオカルト主義の従姉弟に頼まれたんですよ」

ゆっくりと女に手を伸ばしたアマイモンのすぐよこを音を立てて通り過ぎたのは、

ロケット花火だった。

「あ?」

それを飛ばした先には人間の男が三人。

「俺らも混ぜろやあ!」

「奥村君!もしスキができたら逃げるんや!」

「俺はあくまでも杜山さんを救うためやからな」

「いいから、逃げろろっ!!」

そう男が叫びながら立ち上がると、もう一度ロケット花火は放たれた。

それは見事アマイモンの頭に命中するとアマイモンの頭の上の尖った髪がチリチリになっていた。

それを声を殺して笑ったサクラ色の髪の男はアマイモンに吹き飛ばされると、

もう一人の男を狙う、それをかばった小さい男の腕をおると、

残った男の首を掴んだ。

「お前じゃない、俺が腹たってるのは…お前や、奥村っ!!!」

「なんの話ですか、僕は無視されるの、嫌いだなあ」

「やめろっ!!!!」

そう叫んだ青年に視線を向けると、青年は剣を抜こうと構えていた。

よく見るとあの剣は見覚えがある。確かメフィストが持っていた剣だ。

「やめるんだ!兄さん!!これは罠だ!誘いになるな!」

「雪男悪い、嘘ついたり、ごまかしたりするの向いてないや。だから俺もやさしいことのために、力を使いたい!」

そう言って鞘から抜けれた剣と同時に彼の身体を包んだものに目を奪われた。

それは私を闇から救った炎だった、

心臓が揺らぐ、鼓動が早くなる。

「どうして」

自然と動いた身体はその青い炎に包まれた男の目の前に降り立っていた。

「な…っ、NO NAME…?!」

なぜか自分の名前を知っていた男は目を見開くと、訳が分からないような顔をした。

「……な、なんだよ、その姿…っ」

ひどく混乱したその表情で近寄った男は私に手を伸ばした、

その瞬間アマイモンが抱えていた女を投げ捨てると、私の前に立った。

「NO NAMEに、触るな」

「…アマイモンっ、どうゆうことだ!NO NAMEから離れろ!!!」

「何を言っているんですか、君のほうこそ離れてください。」

「ふざけんな!NO NAMEは俺の妹だ!!」

…妹?

「ふっははははっ!!!!」

笑い声をあげたアマイモンは息を吸い上げると、低い声で青年を睨み上げた。

「NO NAMEは、悪魔ですよ?」







   

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