16歳 | ナノ

1113
3/4



「座らないのですか?せっかく用意したのに」

「うん、いい。」

ふよふよと浮いているイスに座りながらメフィストは笑うと、こちらに紅茶のカップを差し出した。

それを受け取ると、自分の下の森を見回す。

学園の中に森があるなんて、なんて広い敷地なんだろう。

メフィストもすごいな、なんて思いつつ、アマイモンの向かった方へと視線を向けると

ふいにそこから眩い光が発せられた。

そしてそれに跳ね除けられたのかこちらに飛んできたアマイモンとベヒモス。

「はっはっはっ…優雅に茶を飲みながら観覧しようと思っていたが、

そうもいかないようだな。これは手ごわいぞ、アマイモン」

そう言い放ったメフィスト、アマイモンは自分が飛び込んだ草むらから体を起こした

「殺したあーいっ」

その言葉に一瞬顔を歪ませると、メフィストの低い声が放たれた。

「ダメだ。一人でも殺してみろ、私がお前を殺すぞ、アマイモン」

「はい、すみません、我慢します」

そして立ち上がったアマイモンは飛ぶと、さきほど飛ばされた所へとまた向かっていった。

その姿をじっと見つめる。

「ここに、面白いものがいるんでしょう?」

サタンに今すぐ会いたいのたが、面白いものが見えると言われたので

付いてきた。詳しくは話してくれないが、

見ればすぐ分かると言うから。

「ええ、貴方には興味深いものかと」

「…興味深い、ふうん」

紅茶を手放すと、メフィストに笑いかけた。

「じゃあ、私も近くで見に行く。」

返事も聞かないでアマイモンの後を追うと、

アマイモンの後ろ姿を見つけた、人間の女を抱えている。

少し後ろからそれを見ていると、アマイモンに持っていた剣を抜かずに鞘で殴りかかった青年。

それをアマイモンは受け止めると、小さく声を発した。

「それはこっちの台詞です」

アマイモンはピン、と人差し指ではじき返すと、青年は吹き飛ばされる、

近くの木々達もその威力に次々と折れていく、

宙に浮かんだ青年の身体をアマイモンは躊躇なく地面に叩きつける。

そして地面がまた揺らいだ。

「……死んじゃったんじゃないかなあ」

「!」

青年を地面に叩きつけた場所まで飛んでいくとアマイモンの隣へ

降り立った。





 

[しおりを挟む]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -