16歳 | ナノ
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「目が覚めましたね、NO NAME」
ぐらりと、
重かったはずの身体を起き上がらせると目の前には、
メフィストの姿があった。
それに小さな微笑みを浮かべる。
「…久しぶり」
それにメフィストは笑うと、小さく頭を下げた。
「お久しぶりです、ご加減はいかがでしょうかな?」
「うん、悪くないよ」
頭を多少傾けて瞳を閉じる。
するとパタンと部屋のドアが開いた
入ってきたのは緑色の悪魔だった。
それに同じく微笑みを含めた表情で見つめると、口を開いた。
「……だあれ?」
その言葉に無表情だった彼は小さく顔を歪めたが、
すぐに瞳を閉じると、再度開いて口を動かした。
「初めましてNO NAME。僕は地の王アマイモンです」
丁寧な挨拶だったのに、
それは悲劇が始まったような声色をしていたかのように思えた。
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