16歳 | ナノ
09033/4
「は…っ…なに、」
思わず体を起き上がらせた、
今見ていた夢が妙にリアルに感じて、恐かった。
あれは誰…なんで、私、あんな記憶ないっ…。
夢の中の自分が信じられなかった。
覚えがない体験に記憶、それが胸を震わせ。
アマイモンの言葉を蘇らせた。
“元の貴方”
全身を恐怖で包まれるかのように感じた感覚に思わず瞳を閉じた。
そして暗い視界に写るのは、
あの青い炎。
なぜ青い炎なのか、彼は一体何者なのか。
そう思った瞬間に胸からこみ上げる気持ち悪いものに顔を歪ませた。
急いでベットから抜け出せば、トイレの便器に顔を近づけた。
そして出てくる身体の中の物と赤い血。
気持ち悪さから溢れ出る涙、
そしてまた大きなものが出てくる感覚がした。
そして騒ぎ出した血は全身を震え上がらせる。
「っ…う…、え…」
頭痛に気持ち悪さに身体の中の痛み。
まるで全身が作り替えられていくような感覚だった。
「元に、戻るんですよ」
「…な、メフィスト…さ、ん…っ…」
急に後ろから声がしたと思えばそこにはメフィストさんの姿があった。
不敵な笑顔を浮かべて、私を見下ろしていた。
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