16歳 | ナノ
08022/3
そして同時に身体の中で拒絶しているものがあった。
「やめ…っ…」
口は無理やり割られるとそこから生ぬるいものが入り込んでくる。
「っ…」
それから必死に逃れようとしてもすぐに絡み取られてしまう。
息が苦しい、まともに呼吸できない。
どんどんとアマイモンの胸板を叩いてもそれは一向に解放されない。
そしてやっと解放されたかと思うと、次に熱を感じたのは首元だった。
「っ…アマイ、モンっ」
吸い付くような痛みに顔を歪めると、生ぬるいものは首元を舐め上げた。
しっかりと私に覆いかぶさったアマイモン、その可笑しな行為に抵抗しようと
手を振り上げたがそれは彼の片手で塞がれてしまう、
すっかり両腕の自由を奪われると、アマイモンは私の服に手をかけた。
「ちょ…っ、アマイモンっ!!!!」
やっとこちらを向いたアマイモンの瞳は熱を帯びてて、
もう私の言葉なんか届かないような気がした。
「ねぇ…やめて……っ…」
何をされるのかは大体分かっている、
だからこそやめて欲しかった、
距離があいた彼だけど、どこかでまた仲良くなれると信じていた。
でもアマイモンの考えは予想を上回って、胸が苦しくなった。
「お願い、やめて……」
「嫌なら僕を殴ればいい、僕が最初に貴方にしたように」
そう言ったアマイモンの言葉が胸に突き刺さった。
大声で叫べばいい、アマイモンに体全体で抵抗すればいい。
そう思っているのに、身体は動かない。
まるでさっきの言葉は“僕を突き放して”そう言ってるみたいに聞こえて。
何も、抵抗できなくなる。
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