16歳 | ナノ
04055/5
「ただいまー!」
「!」
男子寮の下から見知った燐の声が響いて、
すぐさま部屋から抜け出して、
玄関に迎えに行くと、
燐と雪男の顔が目に入った。
「おぅ!NO NAME!!」
「おかえり!!」
「ただいま、NO NAME、大丈夫だった?」
雪男の優しい笑顔が久しぶりに見れて、
なんだかすごく嬉しい気分になった。
「うん、大丈夫。」
アマイモンの事は秘密にしていることが、
少し気がかりだったけど、
話すわけにはいかない。
「あーまじイカはもう見たくないぜー…」
「…イカ…?」
「あァ!後で話してやるよ!!」
それから燐の話をご飯を食べながら聞いて、
部屋に戻った。
部屋にはなぜかベットに燐の使い魔のクロがいた。
“NO NAMEだっ”
えっ…?
「今、しゃべった…?」
“このベット気持ちいいなぁー”
「…なんでわかるんだろう…、」
燐や雪男もわかるのかな、
じゃあおかしくないよね!!!
クロと一緒にベットに寝っ転がっていると、
扉をたたく音がした。
「雪男、どうしたの?」
入ってきたのは雪男、
ベットに座って、クロをなでる。
「NO NAME、本当に何もなかったんだよね」
「……うん」
「それならいいんだ…。」
「…う、ん」
「明日、任務があるんだよ、
NO NAMEは初任務だね」
「本当に?」
なんだか楽しみになってきた、
「遊園地で悪魔を探す任務、」
「遊園地?!」
行きたい!早く行きたい!
と思ったら雪男に「任務だからね」と言われてしまった。
そして雪男の手がふと伸びて、
私の頬に重なった。
「どうしたの…?」
「…いや、なんでもない」
見つめられた雪男の瞳が、
なんだかいつもより黒ずんで見えたのは、
気のせいだろうか。
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