16歳 | ナノ

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「燐…っ…」

私に迫ってくる屍を殴り倒したのは燐だった、

がくがくと震える足は、
力尽きて、地面にペタリと座り込んだ。

「NO NAMEちゃん?!大丈夫?!」

「私は、大丈夫…それより朴さんを…っ」

駆けつけてくれたしえみちゃんは朴さんを見て、
自分の使い魔、緑男にアロエを出さして、対処した。

すごい、しえみちゃん…。

私、なんにもできない…、


「NO NAME、大丈夫か?」

屍を追い払った燐が座り込んだ私を心配そうな表情で見つめる。

「私は、平気なの…。」

「NO NAME!」

後から駆けつけた、雪男とみんな。

「怪我は?!」

「な、ないよ…それより朴さんを」

一番先に私を心配してくれた雪男に笑いかけて、安心させる。

苦しそうに横たわる朴、

私、なんにもできなかったなぁ…。


「NO NAME、本当に大丈夫かよ」

「うん、平気だって!」

「……来い」

「な、なにっ」


風呂場から引っ張られて、出ると。

燐は私を見つめた。

真剣な顔、

きっと、私の作り笑いに気づいてる。

「気にすんなよ、お前今日祓魔師になったばかりだろーが」

「そ、そうだけど」

なんだか戸惑いを隠しきれない、

屍と目があったとき、

恐くて、何も、出来なかった。

「…私、これから強くなれるかな」

「お前ならやれるって」

穏やかな表情で私の頭を撫でてくれた燐、

「うん」

それに笑いかけて、燐の手を握った。

「なんだよ、」

「ん、燐の手が暖かかったから」

両手で包み込むと、

照れたように燐は笑う。

「俺は体温だけは暖いぜ!」

「お、奥村君!?」

いきなり声を上げたのは志摩君、

志摩君の声でぞろぞろと風呂場からみんな出てきた。

「お前ら何手握っとるんや」

細い目をした勝呂君に問いかけられて、

「燐の手が暖いから、」

「お前らそうゆう関係なんか!それとも天然か!」

「うるせぇな!」


頭を傾けると、

志摩君が手を差し伸べてきた。


「俺の手も暖いと思いますよ!」

「じゃ、じゃあ」

苦笑しながらも志摩君の手を握ると、

本当に暖かった。

「奥村さんに握られてる!!!か、感動ですわぁ!!!」

「離せって!」

「ちょ、燐」

燐に無理やり引っ張られて、

歩き出す。

「どこ行くの」

「部屋、」

低い声で答えた燐を不思議に思いながら、

黙ってついていくことにした。






 

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