16歳 | ナノ

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今日も疲れた、

ようやく塾に慣れてきた感じだし。

でもあいつとサタン関係でかぶってるとは思わなかったな…、

部屋でぼーっとして考えていると、

ふいにドアをノックする音が聞こえた。

「どうした、NO NAME」

俺たち家族しかいないこの男子寮。

NO NAMEは安全のためにここの寮で俺たちを暮らしてる、

ゆっくりとドアを開けたら、NO NAMEの浮かない表情が見えた。

「あれ、雪男は?」

そう言って、ベットに座って部屋を見回す。

「ん、任務だって」

「そっか」

ボスン、と音を立てて、ベットに倒れ込んだNO NAME。

「どうしたんだよ」

俺もベットに座って倒れ込んだNO NAMEを見下ろすと、

NO NAMEは瞳を閉じた。


「ねぇ私って、何もできないのかな」


ふとNO NAMEの唇が動いて出てきた言葉。

きっと自分の力のことで、悩んでる。


俺がNO NAMEの力を知ったのは、


メフィストと二度目に会ったとき。


親父が"16歳"という力をNO NAMEにかけて、ずっと守ってきた。

でも親父は死んだ、

そして開放されたNO NAMEの力。

俺も悪魔になってそれを実感した、


NO NAMEからとめどなく香る甘い香り。


“喰いたい”そんな思いが最初は俺の頭で騒ぎまくった。


悪魔に狙われるNO NAME、

自分は守られてばかりだから、

何かしたい。

そうゆう思いなんだろう。



「私は自分の身は自分で守りたい」


祓魔師になりたい、

そう言っている。

自分から悪魔に近づく、ってのかよ。

俺でさえ、この甘い香りに酔いそうなのに。

「ダメだ、」

きっと怪我をして、

悪魔にもっと狙われる。


「なんで、私は…っ…」


やりきれなさそうな顔をして、

ぎゅっと唇を噛むNO NAME。


「NO NAMEは俺が守る、」


そうだ、NO NAMEが不安にならないように俺が守るんだ。

「守られてばかりじゃやだ!!」

「うわっ」

ガバっと起き上がったNO NAMEは俺を見た。

「やだっ」

「ワガママ言うなよっ」

「やだやだやだ!」

「何やってるの…」

ガチャ、っと音を立ててドアが開くと、

雪男の呆れたような顔が目に入った。

「聞けよ雪男!NO NAMEが祓魔師になりたいって言うんだ!!!」

「私は守られてばかりじゃ嫌なの!」

「NO NAMEが祓魔師に?!」

雪男はなにやら考えて手をポンっとさせた。

「…祓魔師になれば危険が増える、」

「ほらな!!!」

「だーかーらー!」

「でも僕たちもいるし…一番安全なのかもしれない」

「はぁ?!」

「だよね!!!」

予想外の答えに俺は唖然とする、

くそ、

何考えてんだ雪男!


「兄さん、僕たちの近くにいたほうが守りやすい」

小声で俺の耳元でしゃべった言葉。


…そうかもしれない。

寮に一人いるってのもなぁ…。


「じゃあフェレス卿に話してみるよ」

メフィストの名前が出た瞬間に、

NO NAMEの顔が強ばった。

……なんだ…?



   

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