16歳 | ナノ

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父さんはサタンに殺された、

雪男とはそう言った、

燐はサタンをぶん殴る、って言った。

「…私は、何を、するの…?」

最近そんな考えが頭の中を占領して、

学校の授業にも集中できなくなってる。

私だってサタンと戦いたい。

なら私も祓魔師になったら…?

そしたら自分の身を自分で、守れる。

「そうなると分かっていましたよ」

「!?」

一人、部屋の中で考えていたのに、

いきなりすぐ横から聞いたことのある声が聞こえてきた。

「メフィストさん…」

この人は一体どこからこの部屋に侵入したのだろう…、

私を見てニッコリ笑うメフィストさん。

「貴方は祓魔師になることはありません」

「…私は、何か役に立ちたいのに」

「存在しているだけで貴方は十分神々しい存在なのですよ」

隣に座っていたメフィストさんは立ち上がって、

私の目の前に来ると。

深く頭を下げて、笑う。

「ど、どうしたんですかっ…?」

「祓魔師などに関わってはいけない」

「どうゆうことですか」

きっとこの人は隠してる。

私のことについて…。


「メフィストさん」

そう言いかけた時、

視界が暗くなった、

暖かさを感じている身体、

「貴方は、まだ知らなくていい」

メフィストさんに抱きしめられている、

な、なんで…。

耳元でささやかれた言葉には、

冷たさはない、ただ、

なぜかすごく優しげなような気がする。




この人、


なんだか分からない…。


 

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