16歳 | ナノ
02022/5
「……」
寮に来て、
不思議なモノを見た。
台所で作業している小さな生き物。
「…いい匂いっ…」
しまった、
余りにもお腹が減っていたので声を出してしまった。
多分あれは悪魔、
見つかってしまったら…、
「…ひっ」
私の声に気づいたのかこちらを見た悪魔。
そして、そのまま私に近づいて。
出したもの。
ガチャン!
「……へ?」
チャーハン…。
「…」
「食べていいの?」
無言で頷く悪魔。
「いただきます…」
とりあえず食べておこう、
なんか危険な感じはしないし…、
パク
「お、おいしーっ!!!!!」
あまりのおいしさに感激すると、
悪魔は笑った。
なんだ、良い悪魔じゃんっ!!!!
「御馳走様でしたーっ!」
完食して皿を手渡すと、
元気な声が聞こえた。
「監獄かよ?!」
「燐だ、雪男の声もする…、」
声のするほうへ迎えば、
部屋の前で燐が騒いでいた、
隣では雪男が笑っている。
話の内容から、燐は雪男のことをもう知ってるみたいだった。
それに二人とも、
なんだか楽しそうに話してる。
「NO NAME」
こちらに気がづいた燐が、
私の名前を呼ぶと、雪男もこちらを向いた。
「おかえり、二人とも」
その言葉に笑って二人は
「ただいま」
と言ってくれた。
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