笑みをこぼす | ナノ

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「NO NAME先輩って久々知先輩と付き合ってたんですか?!」

「それはね・・・誤解なの」

今日はずっとそんなような話をしている気がする。

乱太郎にみんなにこの話をしてほしいと頼んで、教室に戻れば

タカ丸のへらっとした笑顔が見えた

「大変だね」

「そりゃ・・・もう」

廊下を歩くと人の目線が気になるし、朝よりはマシになったが

やはりこんな自分と付き合っていることにされた久々知先輩がかわいそうでならない

鐘が鳴ったので教科書を開いて、今は授業に集中することにした

「夕食食べに行こう」

「うん」

授業も全て終わり、今日は委員会がないので、そのまま食堂に行くことにした

でも憂鬱なのは変わらない

そう思いながら食堂に入ったが、朝より全然視線を感じなくなった

そして手招きしている六年生軍団の中の伊作先輩が手招きしているのが見えた

うわ、行きにくい・・・

強そうな人がいっぱいいる・・・さすが最上級生。あれ、まて・・・私のほうが年上だよね・・・

なんだか不可解な気持ちを浮かべているとタカ丸が伊作先輩の前まで連れてきてくれた

「やぁNO NAME」

「こんにちは、先輩」

ちらちらっと知らない六年生の顔が覗いてくる、ああ・・・居にくい。

「おお!NO NAMEじゃないか、今日は大変だな」

「食満先輩、そうなんですよ」

「もしかして噂の女の子かな?」

食満先輩の横に座っていた髪の綺麗な男の人に笑いかけられて、どきりとしながらも挨拶すると、

六年生の皆さんはひとりひとり挨拶してくれた。

「僕が噂についてはできるかぎり皆に言っておいたから」

「あ、ありがとうございます!」

だからなんだかみんな様子が朝とは違うのか!ありがたや・・・ありがたや・・・

「あ」

食満先輩の目線が上がると、その目線の先に視線を移す。

思わずドキリと心臓が跳ねた

瞳にうつるのは、紫色の忍服をまとった軍団たち

伊作先輩の後ろに張り付いていれば伊作先輩が苦笑いをして口を開いた

「多分、隠れても無駄だと思うよ」

「ああ、もうバレてるしな」

え?!と顔を出そうとしたら、目の前にいたのは正真正銘の久々知先輩だった

うわ、どうゆう顔したらいいのかわからない!

口を開けずにつったっていたら、久々知先輩の声が聞こえた

「ちょっといいか、NO NAME」

「あ、はい」


   

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