笑みをこぼす | ナノ

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「ふぁー……」

休日も明けて今日から授業なのだがなんだか早く起きすぎてしまい、

縁側に座って朝の陽が出るのをゆっくり見ていた。

すると急に後ろから声をかけられ、朝から誰だろうと振り向けばそこには笑顔の久々知先輩の姿があった。

「おはようございます」

「あぁ、おはよう。」

隣に座った久々知先輩はなんでこんなに早いの?と聞いてきた。

私も久々知先輩に聞きたかったが、その答えを口にすることにした。

「なんだか早く起きちゃって、二度寝するのも…なんだか、」

「そうか、でも眠そうだけどな」

「そうですか…?」

そうかもしれないと息を吐けば少しうとうとしている事に気づく。

もっと寝ていれば良かった、

でももう着替えもしているしここまで出てきたのだから後戻りするのも

面倒だ。

色々考えているうちに瞳は閉じかかってくる。

「おーい、寝ればいいじゃないか」

「えー…いいですよ…、」

へらっとした笑みを浮かべて久々知先輩を見れば、なんだか唖然としている表情だったので

瞳を瞬きさせた。

「どうしました?」

「ん、いや……なんかツボかもその顔」

語尾が小さかったのでよく聞こえなかったが、今は眠気の方が強いらしくて、

がくっと頭が落ちてしまった。

「おい、大丈夫か」

「いや…ダメですね、まだ時間があるので一眠りします」

床にそのまま寝っ転がれば、笑みを浮かべた久々知先輩の顔が見えた。

あれ、普通男の人の横で寝たりしていいものなのか。

と考えつつ、瞳をゆっくりとじる。

まぁいいか…私のほうが年上だし、

後から頬に感じた心地よい感覚に、撫でられていることに気づく。

それでも半分寝かかっているので瞳をとじていた。

久々知先輩が撫でているのだろうけど、すごく気持ちよかったので

ずっと撫でていて欲しい、そんなことを思ってしまった。

   

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