笑みをこぼす | ナノ

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「おはよーございます、おばちゃん」

「あらNO NAMEちゃん、今日は休日なのにどこにもいかないのかい?」

「え、休日?!」

おばちゃんから受け取ったお膳を落としそうになるのを、支えたのは自分の力ではなく

誰かの手だった。

「うおっ、何やってんだよNO NAMEー」

「久々知先輩っ、す、すいません…」

お膳を再度持つと、今にも吹き出しそうな久々知先輩と後の五年生がぞろぞろと入ってきた。

「何笑ってんだよ兵助」

「いやさ、NO NAMEが今日休日だって知らなかったんだって…」

遂に声を上げて笑い出した久々知先輩と一緒に五年生は笑い出すと、

なんだか恥ずかしい気持ちになって、一人席につくと。

笑い疲れたのか久々知先輩達がお膳を持って隣に座ってきた。

「ごめん、ごめん…お膳落としそうになったNO NAMEが可愛くて」

「嘘つかないでください、いいですもう」

「あ、拗ねてる」

鉢屋がニヤニヤとこっちを見て言ってくるもんだから、嫌な顔をして見つめ返せば

なんだよその顔、と再度笑われてしまった。

「でも休日だと知らなかっただなんて本当?」

尾浜先輩が嘘だろ?という表情をしているから言いにくいが、

本当だと頷けば驚いたように目を見開いた。

「笑わないでくださいよ」

「笑わないよ、兵助と違って」

優しく頭の上に置かれた手になんだか恥ずかしい気持ちを覚えたが、

笑わない尾浜先輩に微笑んだ。

ってか年下に撫でられて喜んでいる私って……。

「じゃあ今日も授業を受ける気でいたんだね」

不破先輩が顔をのぞき込んできたからため息をつきながら頷くと、

今日は何をしようかと考える。

今日が過ぎれば授業は始まるし、今日利吉さんの家に帰ってもなぁ…。

木刀で剣術の練習をしてようかな。

「じゃあ今日は何もすることがないんだね」

竹谷先輩が食事を食べながら口にした言葉に、

今考えていた事を口に出すと五年生達は驚いたように口を開いた。

「剣術が得意なのか?」

「え、得意っていうか…日課で鍛錬してるというか…」

「なら手合わせしてくれ!!!」

「えぇ…」



   

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