笑みをこぼす | ナノ

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「ここ、どこ…?」

確か自分は学校から下校していたはずなのだが、

いつのまにか自分は知らない森の中にいた。ケータイを取り出しても県外という文字が

画面いっぱいに出て頭を傾げている。

とりあえず森を抜けてみよう、と思って歩いてみることにした。

こんな状況では普通心配したり不安になったりするものなのだが、

こんな状況を楽しんでいる自分がいた、昔から冒険好きなもんでこうゆうのを楽しんでしまう性格なのだ。

「!」

近くから何か大きな音が聞こえた、何かが爆発するみたいな音。

それと同時にこちらに向かって数人が走ってくる音が聞こえて、とっさに物陰に隠れてしまった。

どうして隠れたのかは不明だが、なんだか異質な足音に少し身が震えた。

すると金属音と共に、不思議な姿をした人たちが数人現れた。

「くそ、取り逃がしたな」

「まぁいいだろう」

なに、あの人達…っ…

忍者のような姿をしていて、妙に身体能力が高い彼らからは異様な雰囲気が放たれていた。

コスプレ?!コスプレイヤーなの?!

でも…あんなに木の上に簡単に昇り降りできないよね…

明らかにおかしい状況に冷や汗をかいた、

「人の気配がしますね」

その言葉に身体が硬直した、物陰に隠れている私に気づいたのかまだ気づいてないのか分からないけど、

必死にバレないように祈った、が、一瞬視界が白くなると、

周りにはさっきのコスプレ忍者さん達で囲まれていた。

「何奴、」

「へっ…怪しいものとかじゃないんですけど…!」

っていうか貴方たちの方がよっぽど怪しいけど、と思う心もあったが。

異様な雰囲気を放つこの人たちの鋭い目線にだんだん不安になる気持ちと、

自分の方が場違いな気がしてきてならなかった。


「…なんだか変な格好をしているね」

顔を包帯でグルグル巻にした人に鋭い目線を向けられて、

ますます心臓が慌てる。

「……どうします」

「うん、一応連れて帰って、調べようか」

それに頷いたもうひとりの人が私に手を伸ばそうとした時、全身が震えた。

とっさに私は走り出していた。

捕まるなんて絶対いや!あんな怪しい集団に!!!!

必死に走り出して、前を見上げた瞬間移った姿に唖然した。

「落ち着きなって」

包帯で顔をぐるぐる巻にした男の人がもう前に立っていた。

早すぎる!!!なんで?!

足を止めて、再び周りを確認するとやはり囲まれていた。

もう逃げ場なんてない…、






   

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