笑みをこぼす | ナノ

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「忍術学園?!」

「明日からね」

三日ぶりに帰ってきた利吉さんは夜、部屋に来るなり、

忍者になるための学園に入れと言ってきた。

それに今から寝ようと想っていた布団から出かけていたのを、やめて布団をかぶった。

「嫌ですよ!そんな急に!!忍者なんてなれないですって」

布団をかぶりながら利吉さんを睨むと、利吉さんはそれを受け流すように

爽やかに笑ってみせた。

「NO NAME、私が戻ってくるまでにやっておくようにと出した宿題は?」

「あれ大変だったんですよ!やりましたけど…」

三日前に仕事に行く前に本三冊分丸暗記しておくようにと言われた宿題、

しぶしぶやっておいたが、混乱していたのを覚えている。

「そうか、なら予習はバッチリだよNO NAME。」

「全部忍術学園に行かせるためだったんですね」

それにはっと気がつく、もしかしてこの家にいられたくない理由があったりして…

そうだったら、なんか断れないな。

居候の身なので文句なんてさらさら言えないしな…。

忍術学園は長屋で生活するって聞いてるし、

長くここにいるわけにもいかない。

「でも、お金かかるんじゃないですか?私お金なんて持ってませんけど」

「それは心配いらないよ」

私が出すから、とでも言い張る利吉さんは金銭的には余裕があるように見える。

さすが仕事人間。

「…分かりました」

これ以上否定しても意味がないし。

この家にいるのも迷惑だろうから、何も言えなかった。


   

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