笑みをこぼす | ナノ
07022/2
先輩に食堂の外へと連れ出されれば、両手を合わせて深く頭を下げられる
「ほんとにすまん!なんかみんなに勘違いされて・・・」
「いえ!私の方こそ・・・っていうかすいません。私なんかと付き合っていることにされて」
泣きたいです。久々知先輩を辱めてしまったのだから。
すると、がしっと肩を掴まれて、思わず顔を上げると、久々知先輩の目と目が合う
「そんなことない!!!」
えらい大きな声だったので、自然とはい、と答えていた。
しばらくして久々知先輩は恥ずかしそうに、顔を真っ赤にさせる
「いや、その・・・・・・うん、えっと」
「先輩?」
顔を下げていた先輩の顔が瞬時に上がると、真っ赤な顔がこちらに向く
「NO NAME!その・・・」
「NO NAME、飯冷めるぞ」
久々知先輩の言葉を遮断するように聞こえた鉢屋先輩の声、
鉢屋先輩は私たちの中に割って入ると、邪魔そうに久々知先輩の手をはたく
「おまっ・・・空気読めよ」
「なんのこと?さぁいこいこ」
「・・・は、はぁ」
半ば無理やり鉢屋先輩に腕をひかれて、食堂に入った
そんな姿を眺めて、息を吐き出す久々知の背中をポンっと叩いのは
勘右衛門だった。
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