笑みをこぼす | ナノ

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「じゃあ僕から」

竹谷先輩が木刀を構えたところで、考える。

え、全員相手にするのか…?

「そんなの体力持ちませんよ!」

「えー、じゃあ今日は僕だけで」

「ちょっと待てよ、俺もNO NAMEと手合わせしたいぞ」

久々知先輩が身を乗り出してきたのを竹谷先輩は押し返した。

「分かりました…じゃあ竹谷先輩の次に久々知先輩で…」

それに喜んだ二人。そして竹谷先輩は木刀を構えたので、私も木刀を構えた。

それを見ていた尾浜、鉢屋、不破達は様子の変わったNO NAMEを見ていた。

「なんか雰囲気変わったな」

「うん、集中してる」

「どのくらい強いんだろうなぁ」

「言っときますけど全然強くないですよ!」

そう言ったNO NAMEに尾浜が笑うと、NO NAMEは竹谷に向かった。

「行くぞ!」

竹谷先輩が走り出してきて飛んだのが見えた、瞬間その着地位置と木刀の位置を確認すると、

腰を低くしてそれをギリギリでよける。

「おっと、逃げられた」

「そりゃ必死ですから」

木刀で攻めてくる竹谷先輩に苦笑いしながら必死に防ぐ。

でも前に利吉さんとやりあった時と感じが違うことに気づく。

これなら、勝てるかも。

なんだか調子がいい、だが素早く反応する竹谷先輩にこのままじゃキリがないと思って

一発力強く木刀を当てた、

「うわっ」

それに思ったよりぐらついた竹谷先輩のスキをついて頭をポンと木刀で叩いた。

「負けたー、すごいなぁNO NAMEは」

「いやまぐれですね、完璧に」

「いやNO NAMEの剣術は相当だったよ、俺もきっと負けるな」

久々知先輩がポンと肩を叩いて笑った。

だが結局久々知先輩とも手合わせして、長くなったがやっと勝つことができた。






 

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