笑みをこぼす | ナノ

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不破先輩と鉢屋先輩が隣に座ると、同時に次々と五年生らしき人たちが近くに座った。

「あれ、本当だったんだ噂!私は久々知平助!よろしくな」

まつげが印象的な久々知先輩とその前に座った優しそうな顔立ちの竹谷先輩。

そして尾浜先輩も自己紹介してくれて、

同時にみんな挨拶を交わしてくれた。それに自分も自己紹介する。

「でもなんでわざわざ忍たまに?」

絶対飛んでくる質問だと思っていたから、答えはすぐに出てきた。

「学園長の…気まぐれで」

あれはなんだかそうとしか言えないし、利吉さんの事はなんだか話題には出したくなかった

「気まぐれで忍たまに?そりゃ可哀想だな」

久々知先輩の言葉に苦笑いを浮かべていれば、鉢屋先輩にじーっと見つめられていることに気づく。

「な、何か」

恐る恐る聞いてみれば、すんなりと答えは帰ってきた。

「なんか不思議な顔立ちだと思って」

「……」

それはつまり自分のことをブサイクと言いたいのだろうか、

引きつった笑顔を浮かべていると、慌てて不破先輩の声が聞こえた。

「違うよNO NAME、見かけたことない顔ってことだよ」

「あぁ、確かに、なんか雰囲気違うよな」

それは未来の人間だからだろうか…、

利吉さんが未来から来たことは誰にも言ってはならない、そう言われているので

何も言えなかったが、話題はすぐには変わってくれた。

「そういえばもう委員会は決めた?」

尾浜先輩の声にみんな反応すると一気に声が上がる。

「是非我委員会へ!」

みんなおんなじこと言うもんだから、食堂を出ても

委員会のことで頭がいっぱいだった。


「タカ丸は委員会はどこなの?」

「僕は火薬委員会だよ、NO NAMEにも入って欲しいけど同じクラスからは二人同じ委員会ってわけにはいかないらしくて」

「あ、じゃあ火薬は無理だねぇ」

聞けば委員会は色々あるが、自分に合いそうなのは図書員会や保険委員会だと思う。

会計は大変だと聞いたし…

その事をタカ丸に話せば、図書委員長は笑うと不吉だと聞いたので、

保険委員会にしようと決めた。


 

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