笑みをこぼす | ナノ

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「おお、君が利吉君が言っていた子かの」

「はい、NO NAMENO NAMEです」

「そうかそうか、ならもうクラスは決まっとるんじゃ」

学園に到着して、学園長室に通されるとすぐに私が誰だが分かったらしく、

本題に入ってくれた。

「忍たまの四年は組でいいかの?」

「一年からではないんですか?」

「利吉君からは三年までの事はもう教え込んだ、と聞いているからのう」

だからあんなにスパルタだったんだ……。

まぁもう15歳なんてとっくに超えているからそんなに低学年でもあれだったし、

よかったけれど…

「なぜ、忍たまなんですか?」

忍たまは男の人だけだと聞いているし、くの一だとばかり思い込んでいたのに。

「いやぁ利吉君が刀の太刀は相当のものだと言っていたからのう、くの一だと相手にならんかと思って」

その事に心底利吉さんを恨めしく思ったことはない。

なんて余計なことを…!

「私そんなに強くないです!っていうか忍術とか全然知らないんですけど!」

学園長に必死に訴えようとしたところ、目の前の学園長は瞳を閉じていた。

「ね、寝てる!!」

じゃあ私はこれから全然レベルの違う忍たまの中で生活しなきゃならない?!

今更変えてもらえないだろうし。

よしっ、この際めちゃくちゃ勉強してやる!!!!


「あ、君が新しく忍たまになる子だったんだね」

部屋に入ってきたのは、さっき門に入る時にいた人だった。

確か事務員の小松田さんだったような。

その人は袋の包を私に差し出した。

「これは四年生の忍服だよ」

「あ、ありがとうございます」

忍服は紫で、似合うかどうか心配だったが、なんだかわくわくする気持ちもあった。

「じゃあ長屋に案内するね」

「はい」


   

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