笑みをこぼす | ナノ

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「それで…ここは、」

「………こうですか」

「そうそう!物わかりがいいから教えやすいよ」

「いやいや、教えてもらわなくてもいいんですけど!!」

利吉さんの家にお世話になって一週間がたった。

利吉さんは仕事の合間を見つけると、私に忍者関係のことを教えてくる。

「っていうか本当に忍者にする気なんですか私を」

「向いてるから言ってるんだよ、刀の腕は確かだし…早く仕事に就きたいんだろう?」

「そりゃまぁそうですけど!」

よりによって忍者にならなくてもなぁ…

歪んだ顔をしていると、利吉さんは近づいてきた。

「忍者にはなりたくないの?」

「だって、危険じゃないですかぁ」

「そりゃまぁそうだけど、結構楽しいよ」

笑った見せた利吉さんにため息をつく、

つい最近利吉さんはエリート忍者だと知って、驚いたばかりなのに。

今度は私が忍者になれと…。

でも色々臆病な私に忍者なんて向いてないと思うけどなぁ…

「それに、危険なことがあっても私が守ってあげるから」

一週間でこの爽やかスマイルに慣れたとは言えないが、

なんだか裏がありそうな顔に、苦笑いをしながら受け流す。

「おっと、時間だ」

縁側で座って一緒に勉強していた利吉さんは立ち上がると、荷物を背負った。

それに立ち上がると、門まで利吉さんを送った。

「気を付けてくださいね」

「わかってるよ、いってきます」

優しく頭に置かれた手に笑いながら、無事を祈った。

「いってらっしゃい」

忍者の仕事は危険だと思うし、その仕事をこなす利吉さんはすごいと思う。

エリート忍者って呼ばれいるみたいだし。

利吉さんのお父さんもすごい忍者らしいし…。

この時代ってすごいなぁ……

「NO NAMEちゃん、夕飯よー!」

「はぁーい!」

   

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