strawberry | ナノ

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「ぎゃァ!!!」

「騒ぐな!!!」

落ちていく中、クラウドは私を抱きしめる腕を強くすると、

そのままくるりと一回転。

そして無事に着地した。

後からバシャバシャと二回水が跳ねる音が聞こえた。

「ぐえええぇ…最悪、一回転なんて、吐く、吐く、吐く!!!」

降ろしてもらうと、水がのくるぶしまで浸かってくる。

やばい、ほんとうにダメだ…、

ただでさえ、頭が痛いのに。

コルテオ土に還れ。この野郎。

「ほんと最悪ね…」

傍にティファが険しい表情で近づいてきた、

良かった無事だ、

エアリスも気持ち悪そうに、周りを見回した。

「ま、最悪の事態からは逃れられた…でもないみたい…。」

下水道…く、臭い…。

「NO NAME…大丈夫…?」

「いや…無理、ほんと……」

弱音を吐こうとしたときに、

大きな足音を立てて現れた、


「モ、モンスターーッ……」

ここで現れるなよ!!!うわああァォ…

これって、あの下水道の怪物?!

おかしいな、なんで来るってわかんなかったんだろう。

FFのお話なら全部わかってるはずなのに…。

「NO NAME、そこに隠れているんだ。」

クラウドは私の前に立つと、大剣を構えた。

何様だ!と言いたかったが、今の気持ち悪さには勝てん。無念…。

隠れながらも戦闘を応援、

苦戦しつつも、勝ってくれた。

良かった…。

だが、ティファの表情は曇っていた。

今にも泣きだしそうなティファ、


「もうダメだわ…マリン、バレット…スラムの人たち…」

そうだ、破壊されたら…

愛しのマリンやバレットも…ッ…!!


「諦めない、諦めない。柱を破壊するなんてそんなに簡単じゃない、でしょ?」

エアリスの言葉にティファは力強く頷いた。

「そうよ、そうよね!まだ時間はあるわ!」

「そうだよティファ、助けよう!スラムの人たちを!!!」

「ええ!」

その時、大きく視界が揺らいだ。

「ッ…」

「NO NAME?!」

強い頭の痛みに耐えきれなかった、

そこで、私は意識を手放した。

































クラウド達はNO NAMEを抱えながら、

下水道を出た。

そしてクラウドは自分の腕の中にある
NO NAMEを見て、

エアリスに視線を戻した。

「すっかり巻き込んでしまって……」

申し訳なさそうなクラウドの顔に、

エアリスは笑った。

「ここから帰〜れ なんて言わないでよね!」

それにクラウドは微笑むと、

ティファは周りを見た。

「えーっと明りのついている車両を抜けていけば出れそうね。」

ここはざびれた駅。

壊れた列車、線路から外れた列車がたくさんある。

ふとエアリスはNO NAMEを見つめた。

「ほんとにどうしたのかしら、NO NAME」

「きっと疲れたのよ、こんなことなんて初めて、だろうし…」

それを聞いてクラウドはため息をついた。

「あら、クラウドったら心配してるくせに」

「どこを見てそんなことをが言えるんだ」

「見てればわかるわよ」

「仲間なんだから、当たり前だろう?」

「はいはい、」

にこやかな笑顔のティファにクラウドは眉を寄せると、エアリスを見た。

エアリスも同じように笑う。

「はいはい、」

「お前もか、エアリス!」

くだらない話をしながらも、車両を抜けると、

柱に向かって急いだ。

「間に合った!」

間に合った、まだ柱はある。

だがクラウドの表情は曇っていた、

「まて、上から聞こえないか?」

「…銃声?」

確かに聞こえる銃声。

上を見えたとき、上から一人の男が落ちてきた。

「!」

その男は地面に落下した、

それに駆け寄ると、口を小さく開き始めた。

「大丈夫か?!ウェッジ!」

「クラウドさん、俺の名前覚えていてくれたっすね…バレットさんが上で戦ってるっす…手を貸してやって…クラウドさん、迷惑かえてすいませんっす…」

ゆっくりと瞳を閉じた、

それをクラウドは見届けると、息をのんで上を見た。

「登るぞ!」

「よっしゃ!!!」

「「「?!」」」

クラウドの抱きかかえていたNO NAMEが声を上げた。

今まで眠っていたNO NAME、

相変わらず顔色が悪いが。

無理やりクラウドの腕から抜けると、

フェンスを乗り越えて、一気に上がっていく。


「何やってるの!NO NAME!!」

「ダメよ!体調が悪いのに!!」

そんなこと、関係ない!!!

もう人が死んじゃった!!!!

なんでわからなかったんだろう、

私が、話を覚えてれば…誰も死なずに!!!!

「待て!NO NAME!!!」

すぐさまフェンスをクラウドは乗り越えると、

階段を上がって行った。



     

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