strawberry | ナノ

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「おい、レノ…なんだその子は」

爆発してプレートが落ちた七番街を見つめたまま動かないNO NAMEを見て、

レノに向かって顔を歪ませた。

「すいません、ツォンさん、っと。人質にとって…そのまま流れで……」

苦笑いをしたレノを見て、
ツォンはため息をついて、

浮かない表情のエアリスに視線を戻した。

エアリスを見つめる表情は先ほど、アバランチに見せていた表情とはかなり違っていた。

やがてヘリはガタンと音を立てて、

静止した。

「行くぞ。」

ツォンはそう言って、エアリスを立たせると、
拘束したままヘリから下ろした。

「おーい、降りるぞ、と。」

「……、」

さっきまでの威勢が良かったNO NAMEは、
眉をよせると、ゆっくりとヘリから降りた。

「さてと、あんたはどうすっかな、と」

ビルのなかにはいり、

レノはNO NAMEを拘束したまま、うーんと考えていると、
ツォンが声をかけた。

「逃すなよ、お前が連れてきたんだから、最後まで面倒みるんだぞ」

「わかりました、と」

エアリスを連れて行こうとすると、エアリスの声が響いた。

「待って!NO NAMEは一緒じゃないの?!」

「エアリスっ」

「残念だが、君と彼女は一緒には行けない。」

そう言ったツォンはエアリスの否定する声も聞かずに、無理やり連れていってしまった。


「じゃ、あんたはこっちだな」

素直にレノに連れて行かれるNO NAME。

NO NAMEが連れてこられたのは、医療室。

「さっきのあんたの一撃はかわしきれてなかったんだぞ、と」

レノは医療品をカチャカチャと触って、

綿棒やら、消毒液を取り出した。

そしてスーツで隠されていた肌を露にすると、

NO NAMEは驚いたように瞳を開いた。

「…え、」

「なんだよ、と」

バッとレノに駆け寄り、

レノの腕をまじまじ見つめる。

「…本当に交わしてなかった、んだ、」

レノの腕は皮が剥けて、赤く晴れ上がっていた。

それが痛々しい、見ているだけでなんだか体が痛くなってくるようだ。

「……ごめんなさい、」

「何誤ってんだ、と」

自分の一つの言葉のせいで、

人を傷つけた。

たとえ誰であっても傷つけてはならない、

こんなに苦しくなるのは、

初めてだ…、








     

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