息を止めるの | ナノ

2001
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セィミヤの表情を見つめるNO NAMEの瞳は細まっていた、

「…セィミヤ様、どうかなさいましたか?」

横に立つNO NAMEの言葉にセィミヤは小さく笑うと、遠くを見つめるように、瞳を開く。

それは以前瞳を揺らしていたセィミヤからは想像できない表情だった、

前の真王ハルミヤ様と重なるその表情にNO NAMEはゆっくりとセィミヤの姿を再確認する。

「私は、この国の真王よね」

「はい」

「なにをすればいいか、分かったの…自分だけでは気づけなかったけれど、自分にできることがしたい」

「…そうですか」

頬がゆるまるNO NAMEの表情、まるで自分の中世を誓った主に重なるようだった。

真の強い心、自分の道を、自分で切り開く勇気。

それはNO NAMEの胸を熱くさせる。

「(エリン…、)」

刻刻と近づく降臨の野での戦い大公と真王の力が向き合う。

この夜が明ければ、運命が決まる。

その前にNO NAMEは決着をつけるつもりだった。

エリンを、トウヤを、イアルを、自分を縛るをダミアに決着を。

NO NAMEの拳が強まる、ギリと唇を噛み締めて、強く願う。



――どうか…もう大切な者を失わないように。




   

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