息を止めるの | ナノ

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「エリン、NO NAMEが真王陛下と共に行くそうよ」

「…、」

エリンは目を見開いた、小さく息を呑むと、エサルに口を開く。

「それは……どうゆうことですか、」

「真王を守ってほしいそうよ、大公の襲撃があったからよ」

「でも、NO NAMEは…」

NO NAMEはアルタカの民、ダミアにはそれが知られていたことに気づいたエリンは

瞳を再度見開いた。

「あの子が貴方に忠誠を誓ってきたのを知ってるわよね、なら…あの子が簡単にここを離れるわけなどないわ」

「…、」

「分かっているわねエリン、きっと訳があるのよ」

エサルの言葉が胸に響く。

NO NAMEはエリンのために尽くしてきた、その確かな言葉をエリンを苦しめた。

「(私が、NO NAMEを連れていったから…)」

エリンが拳を固く握ったそのとき、エサルは小さな声で呟いた。

「エリン、もう陛下はカザルムを出発しているわ、もちろんNO NAMEも」

もう、会えない。

そう思ったエリンの脳内が揺らぐ、視界が霞む。

「NO NAMEからの伝言よ、」

エリンが顔を上げると、エサルは頷いた。

「“エリン、心配しないで、すぐに帰ってくるよ”と伝えて欲しいと朝、遣いのものが伝えにきたわ」

エリンは瞳を閉じると、赤い髪の彼女を想った。

NO NAMEはきっと私のためにここを離れた、

なぜだが確信できる。

だってあの子はそうゆう子だから。

   

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