息を止めるの | ナノ

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風がNO NAMEに触れる。

空を飛び立ったリランの上にエリンとNO NAMEはいた。

「……、」

リランの身体が反転した時に見えた闘蛇達の群れに思わず息を呑むエリン。

NO NAMEの視線も闘蛇にむいていた。

「エリン、リランを御座船の上まで行くように言って」

「どうするつもり?!」

「私が降りる。」

NO NAMEの言葉にエリンは目を見開いた、まさか闘蛇と戦いにいくつもりなのか。

エリンは顔を横に降ったが、NO NAMEの表情は変わらなかった。

「私は、アルタカの民。闘蛇に人は殺させない」

NO NAMEの瞳は細まった、そこには悲しみが含まれているようで、

エリンの頭の中にNO NAMEの過去が横切る。

「大丈夫、エリン。」

優しく吐かれたその言葉にエリンは小さく頷いた。

「リラン、あそこへ!!」

エリンの言葉通りにリランは動く、御座船の真上に来たところでNO NAMEは下を見下ろした。

もう闘蛇達は御座船へと上がりつつある。

堅き盾の戦力では適いそうにはない。

「NO NAMEっ、」

NO NAMEが飛び降りようとした時、エリンの手がNO NAMEの腕に触れた。

エリンの表情が歪むと、小さな声が放たれた。

「気を付けて」

NO NAMEはエリンに微笑むと、一歩踏み出した。

それは空中、飛び降りると、王獣の上で飛んでいた時よりも強い風が身体を攻める。

被り物を抑えながら一回転して地面に着陸すると、ゆっくりと顔を上げた。








   

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