息を止めるの | ナノ

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剣を下ろしたNO NAMEの瞳を見つめていたのはダミアだった。

ゆっくりとNO NAMEに近づいたダミアをNO NAMEは見上げる。

「もっと顔を……、」

ダミアがNO NAMEに手を伸ばしたとき、NO NAMEは小さく笑った。

それにダミアは眉を寄せると、王獣舎の扉がゆっくりと開いた。

「ダミア、その手をひきなさい」

「これは恥ずかしいところを見られました…」

ダミアの口元はゆっくりと釣りあがると小さく息を吐いた。

NO NAMEは被り物をつけると、陛下に一礼した。

「あの時はありがとう、貴方のおかげで助かったわ」

「いえ、」

「先ほどは暗くてよく見えなかったのだけど、貴方の髪の色が…」

陛下がそう言い出したとき、ダミアの口が開いた。

「陛下、この娘は素晴らしい、王獣を竪琴で飼い慣らすことができるそうですよ」

「まぁ…」

ダミアと陛下の視線はエリンに注がれる、それに少し戸惑う様子を見せたエリン。

エリンはNO NAMEに視線を送ると、NO NAMEは小さく頷いた。

音も無く王獣舎から立ち去ったNO NAMEには陛下は気付かなかった。





   

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