息を止めるの | ナノ

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セィミヤが眠りについたのを確認すると、セィミヤの部屋から出る。

扉の前にいつものよう立とうとしたが、一瞬視界が揺らいだ。

NO NAMEの身体がゆっくりと崩れ落ちようとしたが、地面に倒れることはなかった。

「大丈夫か?」

「…っ、」

揺れる視界の中、NO NAMEは自分を支えた人物を見上げた、

自分の顔を心配するような表情でのぞく、茶色の瞳。

「イアル、さん」

「……やはり、休んだほうがいい」

イアルの言葉にNO NAMEは小さく笑うと、身体を立て直して、息を吐く。

「休みたくてもできないよ、」

その言葉は嘘ではなかった、ダミアから降された言葉がNO NAMEを縛っていた。

“常にセィミヤを守るように”

イアルは小さく顔を歪めると、瞳を細めてNO NAMEを見下ろした。

「イアルさんこそ、休んだほうがいいですよ、最近ピリピリしてます。その気持ちは十分わかりますけど」

悪戯っぽく笑うNO NAMEだったが、その表情の裏には闇が渦巻いていた。

だんだんと大きくなっていくその闇は、剣を赤く染めようとする。

それを抑える毎日の方が休まないよりも辛かった。

笑ってごまかせる日々はもうとっくにすぎていた。




 

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