息を止めるの | ナノ
18011/3
「NO NAME、私は一体どうしたらいいと思う…?」
セィミヤの力のない声が部屋に響いた。
NO NAMEとセィミヤだけしかいなかった部屋の中で、NO NAMEはセィミヤに視線を向けると
安心させるように微笑んだ。
「私にそれを決めることはできません…貴方は、まっすぐな人です。
自分の思ったことをすればいいと思います」
「……、」
セィミヤの晴れない表情にNO NAMEは顔を歪めると、ゆっくりとセィミヤに近づいた。
するとセィミヤの手がNO NAMEの手を取る。
必死に体温を感じようとするように、セィミヤは瞳を閉じる。
NO NAMEは温めるように手を包むと、セィミヤに微笑んだ。
「きっと、大丈夫です。貴方は、不幸にはならない」
「……NO NAME、」
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