息を止めるの | ナノ

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「リラン、唸るのをやめて」

エリンの言葉でリランは唸ることをやめたが、トウヤに警戒をといてはいなかった。

トウヤを受け入れたエリン、トウヤは王獣舎の中に入ると、地面に腰を下ろした。

「その王獣、あんたのいうことは聞くのか」

エリンはそれに少し微笑んでみせたが、首にかけられている音無し笛があることで胸に突き刺さる釘が抜けないでいた。

「…野生の王獣のようだ…思い出すな」

「…貴方は、アルタカの民よね」

「ああ、」

トウヤは小さく頷くと、腕を組んだ。

そして小さな声で語り始める。

「本当はあんたにも従わなければならないが…今は縛られたくないし、元々霧の民は嫌いなんだよ」

「…どうして?」

エリンはトウヤの横に座ると、顔をのぞき込んだ。

ため息をついたトウヤは思い出すよに言葉を放ち始める。

「妹が…霧の民の男の元に嫁ぐ予定だったから」

小さな声だたが、しっかりと聞き取ったエリンは微笑みを浮かべた。

「兄っていう立場も複雑なのね」

「……たった一人の妹だったからな。」

遠くを見つめるようにそう呟いたトウヤ、

エリンはNO NAMEの言ったことを思い出す、



――アルタカの民はもう私一人しかいない







 

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