息を止めるの | ナノ

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「NO NAME、食事を口にしていないと聞いたよ」

部屋に入ってきたのはダミアだった、テーブルにあるのは手が付けられていない食事だった

「食べないと、身体がもたないよ、NO NAME…」

NO NAMEの頬に手を伸ばそうとしたダミアの手をNO NAMEは振り払った。

「……それとも、食べたくないと?」

「…いえ、食欲がないだけですよ」

「ふっ……NO NAME、そなたにはセィミヤの警護をしてもらうよ」

「…分かりました」

息を吐き出して、ダミアの後についていくと、真王の屋敷に連れて行かれる。

そこにはイアルさんとカイルの姿もあったが、声はかけなかった。

「セィミア、この者がそなたの身を守るものだよ」

「貴方が?名前はなんというの?」

「NO NAMEと、いいます」

セィミヤは頷くと、NO NAMEの頭の方に視線をうつす。

ダミアはそれに気がついたのか、笑うと、口を開いた。

「NO NAME、被り物をとったらどうだ?」

NO NAMEは瞳を閉じて、再度開くと、被り物を取り上げた。

まっすぐな瞳でセィミヤを見つめた。

その瞬間、部屋の中にいたセィミヤや召使い、イアルが目を見開いた。

息を詰まらせるような空気にNO NAMEは瞳を細めた。



 

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