息を止めるの | ナノ

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「お前、アルタカの民だったのか…、」

「…まぁ、はい」

ならあの強さも納得がいく、だがその事実を認めるのにはあの事件を考えなければ。

生き残りがいたんだ。

真っ赤に染まった村を見てきた。

骸があった、生きるものなどいないと思った。

だがイアルは見たんだ、逃げる一人の者の姿を。

「お前が生き残りか…?!」

「………、」

何も答えなかったNO NAMEにカイルは小さな声で謝罪すると、

NO NAMEも小さな声で声を放った。

「内緒にしてください。」

「……それは構わないが、」

カイルが言葉を続けようとした時、イアルの声が響いた。

扉の前に立っていたイアルにカイルは瞳を細めると、イアルは口を開いた。

「ダミア様が貴方を呼んでいる」

それはNO NAMEに向けられた言葉で、エリンもカイルも同時にNO NAMEを見た。

小さなため息をこぼしてNO NAMEは立ちがるとイアルに近づく。

「分かりました、」

「案内します」

「いえ、貴方は腕の手当を…あそこの人に頼みます」

イアルは顔を歪めると、NO NAMEの視線の先にいたカイルと目を合わせる。

「…ですが「いいから、お前は手当をしろって、行くぞ」

カイルの後に続いて出ていったNO NAMEをイアルとエリンは見つめていた。





 

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