息を止めるの | ナノ

0902
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「エリン、よく話しかけられるな」

「え?どうしてですか?」

トムラ先輩の表情が濁ると、困ったような顔をした。

「みっともないが、なんだか顔が見えないと怖くてな…戦闘民族だっていうから」

「そんな、NO NAMEはいい子ですよ」

そうか、と言って渋い顔をするトムラ先輩だったが、

先輩だけではなく、他の教導師達もそう思っているのかと思うと、

なんだか胸が傷んだ。

NO NAMEは戦闘民族というだけで印象が決められてしまうのか、

本当は優しい子で、すごくいい子なのに。

「そういえばエリン。」

「なんですか?」

「もうすぐ真王陛下がいらっしゃるけど、その時はどうするんだ?」

「……そうでしたね」

リランの出産した子の視察に真王自ら出向かれると聞いた。

エサル先生には目立たないようにときつく言われていた。

同時にNO NAMEのことでもエサル先生は何か考えていたようだった。

「私は何があっても出ていかないように、と言われています」

「そうだよなあ。」

何があっても目立つようなことはしてはいけない、

けどもしリラン達が真王陛下を警戒するようなことがあったら…、




 

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