運命の女神 | ナノ

貴方もその一人
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「ねぇ私たち、結婚しない?」

「結婚…?」

「私たちは運命でつながれているわ、一緒にいる意味があるのよ」

「……そう、かな」

「きっとそうよ」

多蕗君の心の中には、

今も桃果がいるわ。

私の心の中にも。

桃果に選ばれた私たち、

運命は回っているの。



きっと、一緒にいる意味がある。



一人、雨の中を傘を持って、歩く。


「…、」

前を見れば、

びしょ濡れの少女が立っていた。

「…貴方、どうしたの?濡れてしまうわ」

駆け寄って傘の中にいれると、

顔を上げて、私の顔を覗いた。


久しぶりの感覚だった、


もうこの感覚を味わうことはないと思ってた。


桃果の時と、同じだわ。


心臓が跳ねる、

熱いものがこみ上げる。


真っ赤なその瞳の中に輝く金色の光は、


もう頭から離れなかった。


「貴方…、名前はなんていうの?」

「…きっと知る必要のない名前だわ」

「知る必要がない?」


少女は止めていた足を動かし、

前に歩き始めた。


「…濡れてしまうわよ?」

「大丈夫」

追いかけようとした瞬間、

少女のすがたは消えた。

「…ファビュラスマックス」



   

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