運命の女神 | ナノ

女神は魔女でもあるから
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大丈夫、これで多蕗さんがカレーを食べてくれれば、
クリアできるわ。

きっと大丈夫よ、

夕焼けに染まった道を汚らわしいカレーを抱えて歩く。

なんで…多蕗さんの家にあんな女が…、

ふっと顔が上げた時、

綺麗な銀色の髪が視界に入った。

夕日に照らされ輝きを放つその後ろ姿は今まで見たことのないような美しさだ、

ぼーっとその後ろ姿を眺めていると、

銀色の髪が揺らいだ。

「あ、待ってっ」

自然と出た言葉に自分でもわかるように動揺してる。

振り返った、少女は美しかった。

白い肌に映える真紅の瞳の中に見えた金色の光の輝きは、

頭に焼き付いて、離れない。

「…あ、の」

「貴方はあの子に似てる」

「え、」

小さく呟かれた声は聞き取るには難しかったはずはずだったか、なぜか耳にしっかりと残っている。

「…感じる、」

そのバックの中にあるモノ

「…バック?」

バックにはたくさんのモノが入っているが、

なぜか頭に浮かんだのは一冊のピンク色の大切なモノだった。

「私の罪の証……」

「罪…、ねぇ貴方はいったい……あ、れ」

少女が立っていた場所には、

少女の姿はなかった。

まるでそれが夢だったかのように、

幻覚でだったかのように、

「ニャア!!」

「!」

横から走ってくる魚をくわえた猫、

それはまっすぐ自分に飛び込んできて、

「ぎゃあぁ!!!」

抱えていたカレーは宙に浮いた。


   

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