運命の女神 | ナノ

運命が変わる音がした
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あぁ、また一人の少年の運命が変わった。


可哀想に、


また、彼の運命が変わりそうな気がする。




「陽毬っ!!!!!」

病室の向こうで、聞こえる二つの叫び声、

あぁ、溢れ出している欲望、叫び、

運命の輪が崩れた。

「…どうして…っ、こんな急にっ…?」

一人の少女が死んでしまった、

心臓も、息も、運命の輪も、

止まってしまった。

「しょうがないの、その子の運命は……決まっている」

一歩、また一歩と、その部屋に向かって歩み出す足。

「これが陽毬の運命だったんだ、苦しまずに、しかも思い出の場所で逝けたんだ、むしろ幸せな最後だ。
とりあえず池辺の叔父さんに電話しないとな、
俺たちじゃ手続きとか色々できねぇーし…」

「…っ!!」

部屋の扉を開いたらあの少年の姿が見えた。

「…え、君はっ…」

「どうした…晶馬、」

緑色の瞳が、こちらに向いた、

少女の横まで来て、ゆっくりと息をすった。

「この少女の運命は、決まっていたの」

「…う、んめい…?」

「……貴方の運命も決まってる」

「僕の運命なんかどうでもいいんだ…!陽毬の運命は、最初から決まっていたってことかよ?!」

「……そう、ずっと、ずっと前からね」

少年の瞳から、涙が溢れた。

悲しみの量は、分からない。

でも…、

何かを、感じる。

「なんで…陽毬の運命は決まってるんだ!!運命なんて嫌いだ!!!!!」

響きわたった声から、

新しいものを発見したときの音が聞こえた気がした。

同時に、自分の運命の輪が逆に回り始めたような、

気がした。

「おい、なに…言ってんだよ晶馬」

もう一人の緑色の瞳の少年、

私とは、まだつながらない世界。

運命。



「…運命が、嫌い、か…」















面白いわ









「ねぇ、貴方の名前は?」

「何言ってんだよ、今そんなこと関係ないだろ…ッ」

「貴方の名前、は?」

「…高倉、晶馬」

「貴方の運命を変えてあげる」















     

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