運命の女神 | ナノ
これは全てを消し去る1/2
「晶馬君がっ…」
晶馬君が誘拐された。
日記を差し出さないと、晶馬君が危ない…
お兄さんには絶対に渡すなと言われたけど…
「でも、これは桃果の…っ」
今までずっと運命通りにしてきた。
「……その日記」
「貴方は…」
目の前にはあの少女がいた。
綺麗な女の子。
不思議な女の子。
日記を見て、無表情のまま視線を合わせた。
「ねぇ教えて、どうすればいい?」
「それは貴方が決めることよ」
「…でも、どうすればいいのか分からない」
「私に聞いても、同じなはず」
瞳を閉じた少女が近づいてきて、
私の胸に向かって手を伸ばした。
「貴方の答えはココにある。」
「……、」
「そうすれば運命の通りに進めるわ」
心、ということ…?
私は…
彼を、晶馬君を助けたい…、
気づいたら少女の姿は消えていた。
→
[しおりを挟む]