運命の女神 | ナノ

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「兄貴?!陽毬?!」

荻野目さんから教えてもらったビルの最上階へと登れば、

傷ついた家族の姿があった。

血を流す冠葉に、瞳を閉じている陽毬の姿。

二人を抱き寄せれば、優しく包み込んだ。


「どうしてだよ…どうして、何も望んでなんかないじゃないか…」

僕たち家族は、家族で幸せに暮らしたかっただけなのに

陽毬を奪おうとする、冠葉を傷つけようとする、

大切な、あの少女を僕から奪ってしまう、


「私は、違うよ、私は晶馬君達のこと、嫌いになったりしない」

晶馬に寄りかかるように頭をつけた苹果、

「悲しいことも辛いことも、無駄なんて思わない…きっとそれが運命なら、きっと意味がある…私は受け入れて強くなる。」

運命、これが運命なのか?

じゃあ、どんな辛い運命にも、立ち向かうよ

僕は大切なものを失いたくない、

家族を、傷つけたくない






だから、だからせめて…




君に傍にいてほしい



   

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