運命の女神 | ナノ

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「君も選ばれたんだ、だからこの列車に乗るんだ」

「何をするの…?」

「世界を変えるのさ」

列車の先の黒ずくめの集団の中にいる冠葉を見つめる真砂子。

その後ろから小さな声で囁いた。

この世界を帰るんだ。

この世界を正しくする。

罰を受ける君が幸せになれる場所に、

僕と君が笑える場所にするために。



君と出会ったのはもうずっと前だったね。

君は、幸せそうに笑っていたんだ。

あの子の隣で。

あの子も特別だった、でも僕は幸せそうに笑う君に恋におちた。

だってその笑顔は暗かった僕の心に光をくれた笑顔だったから。

僕はあの子が欲しくなった。

でも君は僕を遠ざけた、

何度も、何度も僕は君を求めたのに、


“特別な子”が僕を邪魔する。


そして特別な子の横で笑う君。


僕は特別な子に腹がたったんだ。


「だって、僕には見せない笑顔を君にはするから」


そして僕は君が笑えない状況を作ったんだ、


そして再び君が笑えるようにするために、


僕は君に呪いをかけた。


「あぁ…もうすぐ、もうすぐ君は笑えるんだね」


君は特別で、

美しくて、

運命を操る力を持っていたけれど。

この呪いを喜んでくれるように

君が君でなくなるように。僕しか求められなくなるように。




君が僕を愛するように。





君が、苦しむように。


   

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