運命の女神 | ナノ
それこそが真実の呪い1/2
「あのね、私、大切な友達のために塗り替えをしたいの」
「…何をしたいの?」
目の前で私を見つめる、
選ばれた特別な子。
桃色の髪に茶橙色の瞳、
「あのタワーを消したいの、これで…できるよね?」
「できるけれど…代償は重いわ…」
「それでもいいのっ」
「ダメ…私が変わりにあのタワーを消すわ、だから貴方は乗り換えないで」
やっと出会えた特別な子、
貴方を失いたくない。
貴方を傷つけられたくない、
「じゃあ__が代償を負ってしまう!」
「それでもいいわ」
「ダメだよ…そんなこと、貴方がこれを与えてくれた…。だから」
「……消えないで」
「…消えないよ。」
―――
「過去、消えない過去…」
あの子は大事な子だった。
ひとりぼっちだった私に、笑いかけてくれた大切な子。
消えてしまったあの子、
それは呪い、
私の呪い。
この世界が終わるまで、
解放されない呪い。
あの子と出会わなければ、
きっとあの子は消えなかった。
呪われることもなかったのにね、
もう戻れない。
なら、運命を変えよう。
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