運命の女神 | ナノ

呪われれば殺すことなどできない
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「陽毬!ほら、起きろよ!」

冷たくなった陽毬、

帽子をかぶせて、呼びかけると、

帽子の瞳が光った。

いつもと同じあの明るい空間を期待した、

だが、当たりは暗かった。

そして目の前に倒れている陽毬

抱き起こして両肩をつかめば、

うつろな瞳を開く陽毬だった。

「おい!俺の命を分け与えただろ!あの取引を忘れたわけじゃないだろうな!」

「…以前貴様から奪った代償は、電池切れ、ということかな…。ともかくわらわは帰る。ゆえにこの娘の命も尽きる」

嘘だ、

嘘だ…。


「グッド、バイだ」

「帰るってどこにだよ!」

「それは運命の至る場所」

「もう一度…」

陽毬をそのまま抱きしめると、

小さく呟いた。

「もう一度、やってくれないか、」

「無駄だ…あれは恋みたいなもの、始めてのキスのようなもの、一度きりしか無理だ」

「やってみなきゃわかんねぇだろ、ほら、早くやれよ」

「…赤く燃えるサソリの魂か…だが、無理だ」

「くそぉッ!!!……あいつを、運命の女神を殺せばいいんだな……」

「…無理だ」

「ピングドラムがダメなら…あいつを殺せばいい!」














お前には、無理だ…


   

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