運命の女神 | ナノ

これは全てを消し去る
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「思い出したかしら」

「あぁ、思い出した…だから早く晶馬を返せ」

「ふふっ、あの子のことは?貴方が呪われたあの子…」

真っ暗な視界なのに、

特殊なレンズのおかげで冠葉の姿は把握できた、

「あぁ…」

「本当に?」

「本当だ。」

「あの子、私は殺すつもりなの」

「…。」

「運命の女神……知ってるわ。」

貴方が求めるものも、

真実も。


全て…。


「………殺す、お前には無理だ」

「えぇ、無理だったわ…でも諦めない。」

だって、貴方とマリオさんのためだもの。

「それに貴方にだって殺せないでしょう…?」

「………さぁな。」

「ならこれをあげるわ。」


暗闇の中、冠葉の手に触れると、

あの透明な玉をもたせた。


「なんのつもりだ」

「あの子を殺すための道具よ、あの子のためだけに作られた…」

そう言って笑うと、

冠葉の唇に触れた。






   

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