運命の女神 | ナノ
これは全てを消し去る2/2
「思い出したかしら」
「あぁ、思い出した…だから早く晶馬を返せ」
「ふふっ、あの子のことは?貴方が呪われたあの子…」
真っ暗な視界なのに、
特殊なレンズのおかげで冠葉の姿は把握できた、
「あぁ…」
「本当に?」
「本当だ。」
「あの子、私は殺すつもりなの」
「…。」
「運命の女神……知ってるわ。」
貴方が求めるものも、
真実も。
全て…。
「………殺す、お前には無理だ」
「えぇ、無理だったわ…でも諦めない。」
だって、貴方とマリオさんのためだもの。
「それに貴方にだって殺せないでしょう…?」
「………さぁな。」
「ならこれをあげるわ。」
暗闇の中、冠葉の手に触れると、
あの透明な玉をもたせた。
「なんのつもりだ」
「あの子を殺すための道具よ、あの子のためだけに作られた…」
そう言って笑うと、
冠葉の唇に触れた。
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