運命の女神 | ナノ

忘れられない感覚
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「危ない!!」

荻野目さんがついに変なことをやりだした、

そして、

お姉さんの変わりになるという。

バカだ、

失ったものはもう戻ってこないのに。

道路の真ん中で立っていた荻野目さんを照らしたのは車のランプだった。

危ない!このままじゃひかれる!

とっさに身体は動くと、

荻野目さんを突き飛ばしていた。

強い衝撃が体を突く感じがした。

ああ、視界が段々ぼやけていく。

視界が、暗くなっていく。






暖かい手だった


貴方の手は、


暖かかった。





「!」


「あ、晶ちゃん目を覚ましたよ!」

「あ、れ…」

「おい、晶馬心配かけさせんな、って…どうしたんだよ」

「……、」

手が、

左手だけ、冷たい。

なのに、

熱い、

心が熱い。




あの子の感覚がする。





   

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