運命の女神 | ナノ

きっと知ってはいけないコト
2/2


「なにやってるんだあの子?!」

ピングドラムを手に入れるために、

荻野目についていっていたら、

なんと川に飛び込んでしまった。

変な子だったけど、ありえない!!!

「ふがっ!!…多蕗さん…ぶ!!!!」

「!」

荻野目さんの姿が見えなくなったしまったと同時に体は動いた。

シャツをまくり上げて脱ぎ捨てると、

勢い良く川に飛び込む。

なんで僕がこんなこと…!!

だんだんと沈んでいく荻野目さんを引っ張り上げると、
陸まで急いで泳ぐ。

陸に荻野目さんを引き上げて、

即座に口元に顔を近づけたが、

何も聞こえなかった。

「!」

やばい、息、してない!

両手を重ねて心臓の上から心臓マッサージをするが、

荻野目さんの変化はない。

「くそっ…!」

このままじゃ本当に死んでしまう!

青くなった荻野目さんから、

何かが抜けていくような気がした。

その瞬間一気に血の気がひいたような感覚が僕を襲う。

あの子と似た子

「!」

声が聞こえた。

今でもしっかり覚えている。

あの子の声だ、

ふと顔を上げれば荻野目さんの頭元に立っているあの子がいた。

「君、は……」

「この子は、似ているの」

「え、」

腰を下ろした彼女は荻野目さんの頬に手を伸ばすと目を閉じた。

「ダメ」


貴方の運命はこれじゃない


彼女の瞳の金色の輝きが一瞬消えた気がした。

「げほっ!」

「荻野目さん!」

「苹果ちゃん!?大丈夫かい!」

多蕗が気がついたようで、

荻野目さんに懸命に呼びかけていた。

良かった、なんとか助かった…。

「あ、ちょ!」

気づいたらあの子はもう歩きだしていた。

立ち上がって放り投げたシャツをつかみ、

追いかけるがあの子の足は止まらなかった。

「君の名前だけでも教えてくれないか?!」

すると、

彼女は振り返った。

そして小さく微笑んだ分かった。

薄ピンク色の唇がつり上がった。

「無理だわ、私は普通じゃないから」

「…それ、どうゆうこと…?」

気づいたら彼女の姿はなかった。










   

[しおりを挟む]
  back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -