運命の女神 | ナノ

女神は魔女でもあるから
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「あの女、運命は記されているって言ってたよな」

「つまり本とかノートとか紙に書いてあるってこと?」

「あぁ、そう考えていいだろうな」

今日はなぜか今までピングドラムの捜索で荻野目苹果をつけていたのだが、

その荻野目苹果が家にいた。

陽毬と友達になったようで、家でカレーを食べて帰ったけど、

“運命は記されている”そう言った。

「こんなに探しても見つからなかったんだ、あの女肌に離さなず隠し持ってるに違いない、問題はどうやって見つけるか、だが…」

暗い部屋の中、陽毬の寝息が聞こえるくらいの静かな空間に兄貴の声が静かに響いた。

「もしかしてバックの中、とか…?」

「…かもな、そういえば晶馬、運命の女神について分かったか?」

「…ううん、全然」

「……俺、つい最近思い出したんだけど、母さんが昔運命の女神の事で話していた気がするんだよな…、」

「母さんが…?」

全然覚えていない、

「内容はあまり覚えてないけどな」

「…運命の女神、ってそもそもなんなんだよ…」

「…さぁな」

運命を操る魔女だ

「「陽毬?!」」

そこには寝ていたはずの陽毬の姿があった。

そして頭の上にはあのペンギン帽。

そして視界が真っ白になると、

またあの不思議な空間に来ていた。


「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」

上から一段一段降りてくる陽毬を見つめる。

「運命の女神、そいつは魔女だ」

「魔女?!女神なのに魔女?!」

「人によって違う、女神と呼ぶものがいれば魔女と呼ぶものがいる、ちなみに私にとっては魔女だ」

少し顔を歪めてそう答えた陽毬、

「早く殺してこい」

「殺せって言われても犯罪になるよ!」

「大丈夫だ、あいつは魔女だからな」

意味わかんないし!

どう考えても個人的な理由にしか思えない。

陽毬の体を使って勝手なことを!

「勝手なことばっかり言うなよ!そもそもそれって人なのかよ――……!」

叫んだ瞬間、浮游感に包まれた。

ただ一人不思議な空間に取り残された冠葉は陽毬を見つめていた。

「……そいつは人か?」

「知らん。」

「………どこにいる?」

「一度お前たちに接触しているはずだ、
この娘の運命が変わっていたからな」

母さんがあの話をしたのは、

確かあの時だった。

小さい頃、台風が近づいてたとき。

陽毬が光熱で寝込んでいたとき。

陽毬が元気になるように、

“運命の女神が運命を変えてくれる”

そう言った。

だけど母さんは言った、

“出会ってはいけない”

そう、確かに言った。






   

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