運命の女神 | ナノ
罰は世界が終わったその時に1/3
「運命の女神…?なんだそりゃ」
「どこかで聞いたような、ないような」
荻野目苹果を探すため、
その子が乗っているだろう電車に乗り込こんで、
イスに座って、考える。
どこかで聞いたような気がするのになぁ。
「っていうかピングドラムとか運命の女神とか本当にいるのかな…」
「さぁな、陽毬のためだ、」
「たとえその運命の女神が人であろうと…」
「殺す、っていうのか?!」
人だからまずいんじゃないか…、
そんな、陽毬は確かに大切だ、
でも、人を殺すなんて……、
「晶馬、陽毬はそいつを殺さなきゃ死ぬんだぞ……」
「分かってる…っ…」
でも、俺には…ムリだっ…
「お前が無理なのはわかってるさ、」
「…兄貴、」
兄貴の瞳は決意が固まっている瞳だった、
俺には比べようがない、
家族の想いがあるんだ。
家族の想いを兄貴にだけは背負わせたくない、
「そういえばお前、陽毬が一回死んだとき……、相当変だったな」
「…はぁ?」
「一人でしゃべってただろ」
「………は?」
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